さあ、いよいよ取りかかります。
ここまで来るのに相当な時間を費やしていますが、もう手段と目的は逆転しています。
そうならないように注意してください(´∀`)
なおこの製作記事のDC側ケーブルの記載については特に補足がない限り、すべてVGAデミロの
ことになります。他のケーブルをご使用の場合は各自で変換してください。
1.VGAデミロの分解
裏のネジを4本外し、基板についているネジを2本外します
見るからにボロっちぃパーツですので分解に良心は不要です。
2.デミロピンアサインの確認
VGAデミロの基板実装面を見て1番と書いてあるところからアサインを調べます。
一応、私も調べていますが、なにぶんカラットの所業なので信用せず、ちゃんと調べましょう。
DC-VGAデミロの対応表 |
1 | 黄 | GND
| 2 | 橙 | AUDIO RIGHT
| 3 | 赤 | AUDIO LEFT
| 4 | 緑 | +12V
| 5 | 白 | +5V
| 6 | 黒 | SEL1
| 7 | 青 | SEL2
| 8 | 茶 | VSync
| 9 | 灰 | HSync
| 10 | 紫 | CSync
| 11 | 水 | S(C)
| 12 | 桃 | S(Y)
| 13 | 橙黒 | VIDEO
| 14 | 赤黒 | Blue
| 15 | 緑黒 | Green
| 16 | 青黒 | Red
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※常にこの対応かどうかは保証しかねます。
ストライプは紛らわしいので注意。
SELECT1=DC6ピン、SELECT2=DC7ピン
DCの端子部は http://dempa.jp/rgb/heaven/g_dc.html 参照
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3.デミロのDC側ケーブルの切断
あまり長さがないのでコネクタの根本から丹念に・・
4.被覆剥き
デミロのDC側ケーブルを+12V以外の15本、すべて5mmほどニッパなりで剥く。
+12Vについては今回は全く使用しないため熱収縮チューブでメクラにしておきます。
ちなみにニッパが見つからないので爪切で剥くとかは推奨されません(経験者談)
剥いたら心線をねじって予備半田を打つ。
5.PS AVアダプターの分解
裏の2本のネジを外し、蓋をもぐ。堅くても気にせずもいでしまえ。
そうすると銀色のカバーに包まれた基板が現れる。
6.シールドカバーを外す
基板の半田面でカバーが止められている2ヶ所↓を半田ゴテで温め、取り外す。
ピンセットかなんかを差し込んで温めながらテコの要領で少しずつ力を入れると、
割と簡単に取れる。ただし火傷するので間違っても素手でカバーをひねらないこと。
7.ケーブルシールドを外す
ケーブルの根本から基板に半田付けされている網線(↓のあたりに付いてる)を半田ゴテで温めつつ、
やはりピンセットなりでテコの要領で外す。簡単。
8.AVアダプタピンアサインの確認
とりあえず調べたところはこんな感じ。
AVアダプタの対応表 |
1 | 緑 | Green
| 2 | 赤 | Red
| 3 | 紫 | +5V
| 4 | 青 | Blue
| 5 | 桃 | RGB GND
| 6 | 白 | S(C)
| 7 | 黄 | VIDEO
| 8 | 薄緑 | S(Y)
| 9 | 橙 | AUDIO RIGHT
| 10 | 灰 | VIDEO GND
| 11 | 茶 | AUDIO LEFT
| 12 | 黒 | AUDIO GND
| 13 | 薄黒 | FrameGND
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PSの端子部は http://dempa.jp/rgb/heaven/g_ps2.html 参照
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まあネットで見かけた他のAVアダプタも、こんな色配置だったので、
パッと見これなら大丈夫じゃないかな。保証はしませんが。
9.AVアダプタのコネクタから出ているケーブルを切断
いったんケースに仮止めして桃、灰、黒、薄黒のGNDは長めに切断。そしてよりわけてねじって一本に。
それ以外の色のケーブルはDC側ケーブルとの接合点を確認しながら、およそ1.5cmほどの余裕を持たせて切断。
余裕を見過ぎると後でケースに入らなくなる。ただし短くしすぎないように慎重に。
そしたら例によって5mmほど剥いてねじって予備半田。
PS側ケーブルはカラフルな配線材になるので剥いて有効活用。
10.S端子の除去
で、S端子付きAVアダプタの中を見て気付くことは、部品追加のスペースがないこと。
仕方がないのでS端子はもぎ取ります。どうせSをスルーしちゃえばPS用Sケーブルでどうにでもなるんで。
ってことで、除去します。
・・・なんて簡単に言ってますが、ヘボいペン型半田吸い取り機で吸い取ったり、裏からコテで
温めながら、S端子に力をかけつつ除去しようと色々試しましたが、がっちりと外れません。
こういうときに対処できる経験値がない私は別の方法を考えました。
・・・・そう
ニッパで破壊(ペンチ可)
もはや電子工作でも何でもありません。
女子供はすっこんでろ、の男の世界になってます。
なおS端子近辺にはコンデンサが潜んでいますので、それだけは注意しましょう。
ちなみに結構頑丈な端子なので、ちっちゃいニッパじゃ無理だと思います。
非力な人は前モデルを入手するか、リューターなりで丹念にこそぎ落とせば良いんじゃないかな。
で、S端子を除去するとこんな感じ↓
S端子の基板背面はこんな感じ↓
11.絶縁テープの配置
さあ、これでやっと部品を入れるスペースが出来ました。
基板面にそのまま部品を置くと火花が出て高価な機械がパーになりかねないので絶縁します。
カプトンテープをピロ〜ンと敷いて出来上がり。
なお別にカプトンじゃなくても導通しないやつなら紙でも両面テープでも可。
12.部品の空中配線
http://members.tripod.com/suzuki2go/old_contents/kyu2_6.htm
↑のまんまに配線をする。基本的にトランジスタとコンデンサは省略しないものと思ってください。
2004/3/6追記 ICの近くで並列に0.1uぐらいのセラコンを入れた方がベターです
好きずきなので特に順序はありませんが、注意としては内部スペースの都合上、厚みを増さない方向で、
配線する必要があります。要するに可能な限り薄くコンパクトにした方が良いと言うことです。
この辺はAVアダプタのスペースを参照しながら各人で思い思いの方法でやりましょう。
参考として私が行った(した方が良いと思った)順序を紹介します。
ただし熱収縮チューブの取り付けは省略しています。
(1).不要なICの足(8番,11番)を折り曲げを繰り返し除去こんな感じ
(2).ICの足の細くなってる部分を切除
(3).ICの足も根本に予備半田 ※コテを当てる時間が長すぎるとパッケージが溶けるので注意
(4).抵抗の足かなんかから採取した線を材料にピンの間を短絡(9番,10番,12番,13番と3番,4番)
※線材にも予備半田を打つこと
(5).ICの裏側にて電源ライン(14番←→5番)を被覆線でジャンパ
(6).ICの裏側にてGNDライン(7番←→9番-13番の近辺の線材に被覆線でジャンパ
(7).220Ω抵抗の片側を7番(GND)の一ヶ所に半田
(8).トランジスタ(2SC1815)のコレクタをICの5番に、ベースをICの6番に半田
※2SC1815の端子配列は製品名記載部分から足を下にして、
左からE(エミッタ),C(コレクタ),B(ベース)となっています
よく分からない人は http://www.try-net.or.jp/~el_dream/parts/tr/2SC1815.html を参照
(9).トランジスタのエミッタと220Ω抵抗を半田
(10).コンデンサのマイナス極に75Ω抵抗を取り付け
※コンデンサの白っぽくなっている帯がマイナス極。極性を間違えると爆発するんで注意。
(11).コンデンサのプラス極と(9)の接合点(エミッタと220Ω抵抗)を半田
これでひとまず完了です。
繰り返しますが熱収縮チューブでの絶縁はしっかりやりましょう。
ちなみに画像が少ないのは↓みたいに
ピンボケばかりでどうしようなかったためです。
ここはじっくりと行きたかったのですが、オリンパスのC2ZOOMがボロいから・・(;´Д`)
以下、しばらく画像無しとなります。
13.AVアダプタとDC側ケーブルの接合
まずは単純につなぐだけの部分を半田。以下に接合点を列挙。
接合点には熱収縮チューブを必ず打つこと。
AVアダプタとVGAデミロの接合 |
AV側機能 | AV側色 | DC側色 | 補足
| AUDIO RIGHT | 橙 | 橙 |
| AUDIO LEFT | 茶 | 赤 |
| S(C) | 白 | 水 |
| S(Y) | 薄緑 | 桃 |
| VIDEO | 黄 | 橙黒+紫 | DC側はねじってまとめる
| Blue | 青 | 赤黒 | DC側の赤と間違えないこと
| Red | 赤 | 青黒 | DC側の青と間違えないこと
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以上が終了したら、ケーブル全体を適度にねじります。
14.GNDラインの接合
いったん空中配線済みのICを仮置きして、ICの7番ピンに届くような感じでDC側の黄色(GND)ケーブルを
二又に加工する(人みたいな感じで)、それから事前にねじってあったAVアダプタ側のGND線と、先ほど
加工したDC側の二又線の一ヶ所を基板のGNDに半田で接合する。
なお基板のGNDとは網線が付いていた場所のことです。
そして二又線のもう一ヶ所をICの7番ピンに接合する。
15.Greenの接合
AVアダプタ側の緑とDC側の緑黒と75Ω抵抗を接合します。
16.+5Vの接合
ICの14番ピンに被覆線を打ち、その被覆線の片側をAVアダプタ側の紫とDC側の白を接合とを接合します。
絶縁はきちんと処理しましょう。
17.SELECTラインの接合
2P DIPスイッチに予備半田を打ち、DC側の黒と青を接合します。
DIPスイッチの片方にも被覆線を半田してGNDに落とします。
必要と思うならばダイオードをつけるなりしてみても良いです。
18.チェック
機能的にはこれで完成のため、いったんテスターで計測してミスがないかどうか確認します。
短絡のチェックなのでΩのレンジにします。
まさかテスターの使い方を知らないという人はいないかと思いますが。
軽く書いているけど、これが一番面倒な作業かもしれません。
確認終了後、一度動作チェックをして動けば・・・かなり報われた気分になります。
19.ケースの加工
2P DIPの入りそうな場所(ほぼ決まってるけど)に目星を付けてケースに穴を空けます。
私の場合は事前にノギスなどでサイズを測って、やや小さめに穴を空けてから適当にカッターと
彫刻刀でバシバシで削りました。
見栄え志向の人は職人技を発揮させてください。
やり方は自由なのでリューターで4本ほど穴を空けて配線してから、接着剤で固定などでも良いでしょう。
↑DIPスイッチが小さく見えるのは単なる遠近法の問題です。
20.シールドの加工
アルミ辺でS端子を取っ払ったところに目隠しをします。
両方に予備半田して温めれば割と簡単にくっつきます。
21.シールドの取り付け
取り外したときの場所をコテで温めればくっつきます。
22.組み立てて完成
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